絵を描く際、必要な肌の色がないことはよくある問題です。
特に12色の絵の具セットにはメーカーによって、肌の色が含まれていることもあれば、含まれていないこともあります。
しかし、基本の3原色さえあれば、肌の色を作ることができます。
今回は、絵の具を使って自然な肌の色を作る方法と、そのポイントについてご紹介します。
また、絵の具だけでなく、色鉛筆を使う際の肌の色の作り方も異なるため、その方法についても触れます。
この記事で「肌色」という表現を使っていますが、実際にはこの表現は古く、現代では異なる表現が使われています。
なぜこの変化があったのか、そして今後の表現の参考になる情報も最後に紹介します。
自然な肌色を作るための3つの方法
ここでは、自然な肌の色を手軽に作るための3つの主な方法をご案内します。
赤、黄、白を混ぜる方法
- 赤色と黄色の絵の具を等量混ぜて、オレンジ色を作ります。
- オレンジ色に少しずつ白色を加え、望む肌色の明るさに調整します。
赤、黄、青を混ぜる方法
- 最初に赤色と黄色を混ぜてオレンジ色を作ります。
- 作ったオレンジ色に少量の青色を加えて、肌色の深みを出します。
オレンジに白を混ぜる方法
- 既にあるオレンジ色の絵の具を用意します。
- このオレンジ色に白色を加え、軽く混ぜて肌色を作ります。
これらの方法で、さまざまなトーンの肌色を作成することが可能です。
それぞれの色の量を調整することで、希望する肌色に近づけることができます。
肌色作成の際の重要ポイント
肌の色合いは人それぞれ異なるため、肌色を作る際のいくつかの重要なポイントを以下に紹介します。
暗い色を作る際は黒ではなく青を使用
暗い肌色が必要な場合は、黒の代わりに青を使うことが推奨されます。
黒を混ぜると、肌色が自然に見えず、こげ茶色のようになってしまう可能性があります。
透明感を出すには水の使用が効果的
透き通るような白い肌色を目指す場合、白色を多用するのではなく、水で伸ばしてみると良いです。
透明水彩の場合は、白色を使わずに、水で濃淡をつけるのが基本です。
透明水彩でない場合は、水の量に注意しながら使用します。
これらのポイントを活用することで、より自然で多様な肌色を表現することが可能になります。
色の調整には少しずつ手を加え、望む色合いを見つけていきましょう。
色鉛筆を使用した肌色の作り方
色鉛筆を使っても、自然な肌色を描くことが可能です。
以下は色鉛筆で肌色を作る手順です。
- ベースの黄色を塗る
最初に、黄色の色鉛筆を薄く均一に塗ります。
これが肌色の基本となる色です。 - 赤色を重ねる
黄色の上に赤色を軽く重ねて塗ります。
色鉛筆では、白や青を使わずとも、この二色で自然な肌色が作れます。 - 影をつける場合は青色を加える
顔の輪郭や影が必要な箇所には、さらに青色を重ねて塗ってください。
上級者向けの技法:よりリアルな肌色を表現
よりリアルな肌色を表現するためには、オレンジ色、紫色、ピンク色を使って人の顔の赤みを表現することもできます。
初心者へのアドバイス:二色だけで描き始める
絵画の初心者は、赤色と黄色の二色だけで描き始めるのがおすすめです。
これにより基本的な肌色の塗り方をマスターできます。
色鉛筆での肌色の作り方は、色の配合や塗り方によって大きく変わります。
自分のスタイルを見つけ、作品に合わせて色を調整してみてください。
絵具や色鉛筆に“肌色”は存在しない?
「肌色」という言葉を使ってきましたが、実際には絵の具や色鉛筆の中に“肌色”という具体的な色は存在しません。
“肌色”という表現は徐々に廃れつつある
「肌色」という表現は、多様性の観点から、現代では「うすだいだい」や「ペールオレンジ」といった呼び方に置き換わっています。
日本を含む多くの国で、異なる背景を持つ人々が共生していることを考慮し、「肌色」という言葉が持つ可能性ある人種差別的なニュアンスから、この呼び名が徐々に使われなくなっています。
2005年頃からは、「肌色」という名前の鉛筆や絵の具の販売は減少し、例えば幼稚園で使用される色鉛筆やクレヨンでは「うすだいだい」と表記されることが多いです。
肌色の混色の基本
肌色を作る際は、混色の基本を理解しておくと、様々な肌の色を作ることが可能です。
例えば、白い肌の女性や日焼けした子供の肌色など、人物の特徴に合わせて肌色を使い分けることで、より自然で多様な肌の表現が可能になります。
絵の具や色鉛筆を使って、さまざまな肌色を上手く表現することで、色彩豊かな人物画を描くことができます。
まとめ
絵の具や色鉛筆での「肌色」の作り方について、今回は様々なアプローチを解説しました。
絵の具では赤、黄、白、または青を用いる混色方法で多様な肌の色を作ることが可能です。
色鉛筆でも同様に、基本の黄色と赤色を重ね、必要に応じて青色で影を加えることで、自然な肌色を描き出せます。
また、現代では「肌色」という表現が多様性を考慮して「うすだいだい」や「ペールオレンジ」といった呼び方に変わりつつあることも理解しておくことが重要です。
これらの基本をマスターすることで、あらゆる肌色を自在に表現し、よりリアルで多様な人物画を描くことができるでしょう。