家族からの突然の訃報を受けた際、通夜や葬儀に向けて香典の金額を迅速に決定する必要があります。
特に親族の場合、故人との関係性によって香典の金額に迷うこともあるでしょう。
この記事では、祖父母、両親、兄弟姉妹など故人が親族の場合に適切とされる香典の金額やマナーについて解説します。
香典とは
香典とは、故人の霊前にお供えし、遺族を慰めるために贈る金品を指します。
元々は米や酒などを供えていたものが変化し、現在では現金を供えることが一般的です。
通夜や葬儀に参列する際に香典を持参することが多く、香典袋に入れて故人の冥福を祈りながら遺族にお渡しします。
金額は故人との関係性、参列者の年齢や社会的地位、また家庭や地域の習慣などに応じて異なるのが一般的です。
祖父母への香典の相場について
祖父母が亡くなった際の香典の金額は、故人との関係や贈る側の年齢により変わります。
香典の金額に迷う方も多いですが、重要なポイントは以下の2点です。
- 贈る側と故人との関係性の深さ
- 香典を贈る者の年齢
これらのポイントは祖父母だけでなく両親や兄弟姉妹への香典にも適用され、香典金額の目安を決める基本的な判断材料となります。
祖父母への香典の目安
年齢に応じた香典の相場は以下のようです。
- 20代：10,000円
- 30代：10,000円～30,000円
- 40代以上：30,000円～50,000円
特に30代以上になり社会的にある程度の地位や収入がある場合は、目安となる金額の上限寄りに設定することが一般的です。
祖父母に深い敬意と感謝を示す意図からも、相場の上限に合わせる方が多く見られます。
学生である孫の香典の対応
学生の孫が香典を準備する場合、一般的には経済的に親に依存していることが多く、親が代わりに香典を用意することがほとんどです。
一方で、孫が社会人であったり、既婚で独立している場合には自身で香典を準備するのが基本です。
また、孫が複数いる場合、兄弟姉妹と共に「孫一同」として連名で香典を出すケースもあります。
不明点がある場合は家族内で相談しながら決めることをおすすめします。
両親への香典の一般的な相場
自分の両親が亡くなった場合、子供が喪主を務めるケースも多くありますが、そうでない場合、子供が香典を用意することが一般的です。
両親に対する香典の金額は通常高めの金額に設定されることが多く、年齢や社会的立場に応じて相場も上昇します。
以下は両親への香典の金額目安です。
両親への香典：年齢別金額の目安
- 20代：30,000円〜100,000円
- 30代：50,000円〜100,000円
- 40代以上：100,000円以上
年齢が上がるにつれ、また社会的立場が高いほど、より高額な金額が設定される傾向にあります。
また、義理の両親に対しても、実の両親が亡くなった場合と同じく、上記の金額相場を目安とすることが一般的です。
兄弟姉妹への香典の相場
兄弟姉妹が亡くなった場合の香典の金額も、年齢と社会的立場に応じて変わりますが、両親の場合よりは控えめな金額となるのが一般的です。
以下は兄弟姉妹に対する香典の相場です。
兄弟姉妹の逝去時の香典相場
- 20代：30,000円〜50,000円
- 30代：50,000円
- 40代以上：50,000円
また、義理の兄弟姉妹が亡くなった場合にも、実の兄弟姉妹と同様の金額が相場とされています。
年齢や関係性によって上下することはありますが、兄弟姉妹への香典として相応な額を目安に選びます。
その他の親族への香典相場
親族の中で祖父母、両親、兄弟姉妹以外が亡くなった際の香典の金額についても、親族関係と贈る側の年齢によって金額の目安が異なります。
以下に、一般的な親族への香典の目安を示します。
伯父伯母（叔父叔母）への香典の相場
- 20代：10,000円
- 30代：10,000円〜20,000円
- 40代以上：10,000円〜30,000円
従兄弟（いとこ）への香典の相場
- 20代：3,000円〜10,000円
- 30代：3,000円〜20,000円
- 40代以上：3,000円〜30,000円
孫への香典の相場
一般的な目安としては10,000円〜50,000円です。
香典に適したお札の選び方
香典を準備する際、縁起の悪い数字を避けて金額を設定することがマナーとされています。
特に「四（し）」や「九（く）」は「死」や「苦」を連想させるため、こうした忌み数を避けることが一般的です。
そのため、3,000円や5,000円、10,000円といった数字の組み合わせが好まれます。
以下が忌み数を避けた金額の例です。
- 3,000円
- 5,000円
- 10,000円
- 20,000円
- 30,000円
- 50,000円
- 100,000円
葬儀で使うお札は、新札を避けた方がよいとされ、軽く折り目をつけてから包むなどの配慮を行います。
また、お札の枚数も偶数になることを避けることが多く、3枚や5枚など奇数枚数で用意するのが一般的です。
まとめ
親族への香典金額やマナーは、基本的に故人との関係や贈る側の年齢を考慮しながら決めることが重要です。
ここで紹介した金額は一般的な目安ですが、地域や家庭によって異なる場合もありますので、お通夜や葬儀に参列される際は事前に確認することをおすすめします。
大切なのは故人を心から偲び、適切なマナーで参列することです。
訃報に際し混乱や焦りを避け、冷静に対応しましょう。
