桃の木の美しい花が春の訪れを彩ります。
多くの人が自分の庭に色鮮やかな桃の花を望むでしょう。
しかし、桃の木を庭に植えることは風水上から見ると不吉とされることがあります。
さらに、病害虫の被害や手入れの難しさも存在します。
この記事では、桃の木を庭に植えるべきでない理由を詳しくご説明します。
適切な管理を行えば桃の木も安全に育てることが可能ですので、参考にしてください。
なぜ庭に桃の木を植えるべきではないのか?
風水における不吉な桃の木
風水によれば、庭に桃の木を植えることは推奨されません。
特定の方向に桃の木を植えると、不運を招くとされています。
例えば、北方に植えた場合、男性が女性問題に巻き込まれるリスクが高まり、東方に植えると足のトラブルが発生しやすくなります。
西方には品性が問われ、南方に植えると家庭運が低下すると考えられています。
(北東か南東に植えると良いとされます)
このため、風水を重視する人々は庭に桃の木を植えることを避ける傾向があります。
成長が早すぎる問題
桃の木は非常に成長が早く、高さが7~8メートルにも達し、横にも広がるため、庭に植えるのは避けるべきです。
素人には剪定が難しいですし、小さな苗から急速に大きくなるため、管理が大変です。
実際に桃の木を育てている人からは、毎年の剪定が必要で、鉢植えでも根がすぐに広がるため、頻繁な植え替えが必要との声もあります。
そのため、限られた庭のスペースでは桃の木の管理は困難です。
収穫可能でも食用に不向き
庭に花桃を植えるべきでない理由のひとつに、「実が食用に適していない」点が挙げられます。
花桃は美しい花を目的として栽培される種類の桃で、実は食べることがほとんどできません。
実を試した人の報告によると、非常に味が悪く、ほとんど甘みがなく、酸味や苦味が強いとされています。
ジャムに加工することもありますが、苦味が残るため、期待外れに終わることが多いです。
「桃」という名前から食べられると誤解されがちですが、花桃の実は食用としては不向きです。
観賞用に特化しており、食べるために栽培される普通の桃とは異なります。
そのため、食用目的で桃の木を求めるならば、花桃は適切な選択ではありません。
虫害のリスクが高い
花桃の木を庭に植えるデメリットの一つに、虫害の発生があります。
特にカイガラムシやアブラムシが発生しやすく、これらの害虫は樹液を吸って樹木を弱らせることが知られています。
カイガラムシは小さくても樹液を吸い、樹木の生育を妨げる一方で、アブラムシはその排泄物が甘く、アリを引き寄せることもあります。
さらに、これらの害虫はすす病やウイルス病の媒介も行うため、害虫管理が非常に重要です。
定期的な対策が必要とされ、一度発生すると駆除が困難になります。
これらの理由から、花桃は害虫対策が大変であり、庭に植えるのはおすすめできません。
病気に弱い
花桃を庭に植えるべきでない最後の理由は、「病気にかかりやすい」ことです。
主に縮葉病、灰星病、穿孔細菌病といった病気に罹患しやすく、これらの病気は葉や花、果実に重大な影響を与えます。
特に穿孔細菌病は樹木の葉や枝に特有の斑点を作り、やがて穴が開いたりすることがあります。
これらの病気は害虫によってもたらされることがあり、感染が広がる前に適切な管理と対策が必要です。
病気の予防と治療には定期的な薬剤散布や感染部位の除去が求められるため、花桃の管理は手間がかかり、庭に植えるのは避けた方が良いでしょう。
他の植物への影響
庭に花桃を植えることに慎重であるべき六つ目の理由は、周囲の植物に悪影響を与える可能性があるからです。
花桃は根から「青酸配糖体」(一般的には青酸として知られる)を分泌し、これが周囲の植物の成長を阻害します。
この自己防衛メカニズムは、花桃が他の植物との競争を減らし生存を保つために進化した特性です。
この影響で、同じ土地に植えられた他の植物が枯れてしまうことがあります。
この現象は連作障害と類似しており、「忌地」とも呼ばれます。
手入れの手間
花桃を庭に植えるべきでない七つ目の理由は、「落ち葉の掃除が大変」だからです。
花桃は落葉樹で、秋には葉が一斉に落下します。
成長が進むと、大量の落葉が周囲に散らばり、近隣に迷惑をかける可能性があります。
これは、特に風が強い日には顕著で、落葉が周囲の家や道路に飛び散ることがあります。
花桃の適切な育て方
花桃はその鮮やかな花で多くの人々を魅了します。
以下のポイントに注意すれば、庭で花桃をうまく育てることができます。
縁起の良い方角に植える
風水に基づくと、花桃を植えるのに最適な方角は「東南」と「北東」です。
これらの方角は風水上、好ましい影響をもたらすとされています。
ただし、大きな木を特定の方角に植えることが風水的に不適切な場合もあるため、木の成長を適切に管理することが重要です。
適切な品種を選ぶ
花桃の中には、成長特性が異なる品種が多数存在します。
庭の空間が限られている場合は、矮性品種や立性、枝垂れ性のものを選ぶことが賢明です。
特に「照手花桃(照手姫)」は、枝が横に広がらず、狭いスペースでも育てやすいとされています。
周囲の植物との距離を保つ
花桃の根から出る成分が他の植物の成長を妨げるため、花桃を植える際には他の植物から一定の距離を保つことが望ましいです。
これにより、植物同士が互いの成長を邪魔することなく、良好な環境を維持することができます。
こまめな剪定
花桃は成長が早いため、適切な剪定が必要です。
剪定により、花桃の成長をコントロールし、日光が他の植物に遮られるのを防ぎます。
これは、特に狭い庭での管理において重要で、定期的な剪定が必要です。
庭に花桃を選ぶ理由
中国での縁起の良さ
中国では、桃は縁起の良い木と見なされており、不老長寿や災難を避ける力があるとされています。
また、子孫繁栄の象徴ともされており、春節には桃の花を飾る伝統があります。
風水の世界では、桃の木が恋愛運を向上させるとも言われています。
心地よい香りの花
花桃の花はジャスミンに似た甘い香りがありますが、香りはさほど強くないため、近隣に迷惑をかけることはありません。
その香りと美しさから、「桃源郷」と形容されることもあり、視覚だけでなく嗅覚でも楽しめるのが特徴です。
高い耐寒性
花桃は中国が原産で、日本の気候にも適しているため、寒さに強いです。
日当たりが良く排水の良い環境では特によく育ち、地植えの場合は水やりの手間も少なく、初心者にも育てやすい樹木です。
まとめ
花桃を庭に植える際の懸念点は以下の通りです。
・風水的には縁起が悪いとされる場合もある
・樹木が大きく広がる
・実は食用に適さない
・害虫や病気に弱い
・他の植物の成長を妨げる可能性
・落葉の掃除が面倒
これらの点にもかかわらず、花桃はその美しい花や良い花言葉を持っており、中国では幸運をもたらすともされています。
管理に手間はかかりますが、適切なケアを施せば、庭を魅力的に彩ることができます。