最近、「Apple IDに関する重要なお知らせ」「Apple IDのお支払い情報を更新」などの件名で、Appleを装った詐欺メールが多数報告されています。クレジットカード情報などを盗み取ろうとするフィッシング詐欺の可能性が高いため、十分に注意してください。
この記事では、実際に届いた怪しいメールの例を取り上げ、どこが危険なのかを解説するとともに、万が一クリックしてしまったときの対処法をまとめます。
実際に届いたメールの内容
件名: Apple ID のお支払い情報を更新!5H-8124243241
差出人: iCloud <trtd.s@moneyforward.com>
Apple IDに関する重要なお知らせ
お客様のApple IDに関連する最新のセキュリティ対策として、 アカウント情報の確認と支払い方法の更新が必要です。
【手続きのご案内】
お客様のアカウントの安全を確保するため、以下の手続きをお願いいたします。
1. Apple公式サイト(Apple Accountアカウントのページhttps://osnajfdganjas.%F0%9F%84%BD%F0%9F%84%B4%F0%9F%85%83?token=https://www.apple.com/kqzkycdqgv)にアクセスしてください。
2. 現在のApple IDとパスワードを使用してサインインしてください。
3. 画面の指示に従い、クレジットカード情報を更新してください。
【なぜこの手続きが必要なのか?】
Appleでは、お客様のアカウントを安全に保つために、定期的な情報確認を実施しております。 確認が完了しない場合、一部のサービスが制限される可能性がございます。
【手続き期限】
この手続きは、2025-03-06までに完了してください。
何かご不明な点がございましたら、Appleサポートまでお問い合わせください。
Appleサポートチーム
どこが怪しい?詐欺メールの特徴
上記のメールには、以下のような「怪しいポイント」があります。これらを把握しておくと、今後同様のメールを受け取った際にすぐ判断できるはずです。
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差出人のメールアドレスがApple公式ではない
- Apple公式のドメインであれば「@apple.com」や「@icloud.com」などが使われます。
- 「moneyforward.com」は、日本の家計簿アプリで知られるマネーフォワード社のドメインですが、今回の差出人を名乗る目的が不明で、不自然です。
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iCloudを装った表示名
- 差出人が「iCloud」の表示名を使っているからといって、本当に iCloud から送られているとは限りません。
- 表示名はいくらでも偽装できるため、実際のメールアドレスのドメインを見るのが重要です。
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リンク先のURLが明らかに公式ドメインではない
https://osnajfdganjas.%F0%9F%84%BD%F0%9F%84%B4%F0%9F%85%83?token=https://www.apple.com/kqzkycdqgv
- 一見「apple.com」と書いてある箇所もありますが、実際のリンク先は文字化けのような長い文字列になっています。
- Appleの正式なドメイン(
apple.com
やappleid.apple.com
など)ではない時点で非常に怪しいです。
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不自然な件名・番号の羅列
- 「5H-8124243241」「0V-5824372912」など、意味不明な文字列や番号が付いている。
- Appleからの公式通知では、こうした意味不明な英数字が大量に入った件名はまずありません。
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クレジットカード情報を直接更新させようとしている
- Appleが支払い情報の更新を促す場合もありますが、公式サイト(appleid.apple.com)に直接アクセスするよう案内します。
- メール内の不審なリンクを踏ませる形でカード情報を入力させるのは、フィッシングの典型的な手口です。
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期限を切り、焦らせている
- 「2025-03-06までに手続きを完了しないとサービスが制限される」という文言で、受信者に急がせる。
- フィッシング詐欺メールは、被害者を焦らせて冷静な判断をさせないように仕向けるのが常套手段です。
フィッシング詐欺の目的と被害リスク
このような「Appleを装ったフィッシングメール」は、偽サイトに誘導してIDとパスワード、クレジットカード情報を盗み取ることが目的です。
- 盗まれたApple ID情報
- iCloud上の写真やデータに不正アクセスされる、勝手に有料アプリを購入されるなどの被害が考えられます。
- 盗まれたクレジットカード情報
- 不正にオンライン決済に利用される可能性が非常に高く、気づかないうちに大きな請求が発生する危険があります。
一度でも入力してしまうと、被害が拡大しやすいため、決してメール内のリンクにアクセスしないでください。
もし受け取ったらどうする?安全に確認する方法
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メール本文のリンクはクリックしない
- 公式のApple IDに関する情報確認は、必ず自分でブラウザにURLを入力して行いましょう。
- 具体的には「appleid.apple.com」に直接アクセスし、そこからログインして支払い情報を確認できます。
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iPhoneやiPadの場合は「設定」から確認
- 設定画面 → 自分の名前 →「支払いと配送先」などで、支払い情報やサブスクリプションを確認できます。
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差出人やドメインをよく見る
- 「@apple.com」など正規のドメインではない場合はほぼ確実に詐欺です。
- 不審な文字列や記号が混ざっているときも要注意。
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不安な場合はAppleサポートに直接問い合わせる
- 公式サイト(https://support.apple.com/)や電話番号からAppleに確認すれば安心です。
すでにリンクをクリックしてしまった・情報を入力してしまった場合
もし万が一、偽サイトにアクセスし、パスワードやクレジットカード情報を入力してしまった場合は、速やかに以下の対処を行ってください。
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Apple IDのパスワードを変更
- 公式のAppleサイトまたは設定アプリから、新しいパスワードに変更。
- 他のサービスでも同じパスワードを使い回していた場合は、それらも変更してください。
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クレジットカード会社へ連絡
- カード情報を入力してしまった場合、不正利用を防ぐためにカード会社に事情を説明し、対応を依頼しましょう。
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利用明細や口座をこまめにチェック
- 万が一、不正な請求が発生していないか注意深くモニタリングする必要があります。
まとめ
- 今回紹介したメールは、Appleをかたるフィッシング詐欺である可能性が極めて高いです。
- リンク先のURLが公式でないこと、クレジットカード情報を入力させようとすることが最大の特徴。
- メールを受け取っても、本文中のリンクはクリックせず公式サイトや設定アプリから直接確認することが一番安全です。
- 万が一、情報を入力してしまったら早急にパスワード変更やカード会社への連絡を行い、被害を最小限に食い止めましょう。
今後も同様の詐欺メールは形を変えて送りつけられる可能性があります。
少しでも「怪しい」と感じたら、メール内のリンクをクリックせずに削除や無視を徹底することが重要です。