椿は日本の自然に馴染み深い花ですが、似た花々との識別は一苦労です。
特に、椿に形状が似ている「侘助」や「山茶花」との違いはお分かりでしょうか?
この記事では、椿とこれらの花たちとの微妙な差異について詳しく解説します。
椿と侘助の主な違い
椿はツバキ科ツバキ属に属する常緑樹で、厚くて丈夫な緑の葉を持ちます。
このため、厚葉木とも呼ばれています。
日本には1,000種以上の椿が存在し、花が落ちる様子が首が切断されたように見えることから、武士には敬遠されがちです。
また、この花が落ちる際の様子が落馬を連想させるため、競馬の馬名にはあまり使われません。
一方、椿に非常に似た侘助は、実は椿の変種の一つ。
代表的な品種には「太郎冠者(たろうかじゃ)」、別名「有楽椿(うらくつばき)」があります。
侘助には多くの品種が存在し、「白侘助」や「胡蝶侘助」などが人気です。
侘助の定義は、「有楽椿」の子孫であり、葯が退化して花粉を作らないことです。
侘助の定義
- 「有楽椿」の子孫であること。
- 葯が退化しており、花粉を作らないこと。
これらの条件を満たすものが「侘助」と呼ばれ、特に「太郎冠者」は侘助の代表的な品種とされています。
また、有楽椿の子孫でなくても葯が退化した品種は「侘芯椿」として区別されます。
侘助の名前の由来には諸説あり、朝鮮から持ち帰られた人の名前や千利休に仕えた人の名前から来ていると言われています。
「侘助」の特徴
- 侘助の花は椿に比べて小さく、一重咲きまたは猪口咲きが多い。
- 開花時期が椿よりも早い。
- 侘助には香りがあるものがあり、主にピンク系の色が多いです。
侘助は、千利休などの茶人に愛され、茶室で使用される茶花としても知られています。