アクリル絵の具はその扱いやすさと鮮やかな色で、絵画からDIYプロジェクトに至るまで広く利用されています。
作業が一段落した後、思わぬうっかりで絵の具をそのままにしてしまうこともあります。
特にプラスチック製のパレットに残った絵の具は取り除くのが一苦労ですが、捨てる前に試す価値のあるクリーニング方法をご紹介します。
アクリル絵の具を理解する
アクリル絵の具は顔料と固着剤を主成分とし、これに増粘剤や均一に混ざるようにする混合剤が加えられています。
固着剤にはエマルジョンタイプの合成樹脂が用いられ、水に溶けやすいが乾燥後は耐水性を持ちます。
そのため、パレットに乾燥した絵の具が残ってしまうと、単に水で洗うだけでは落ちにくい状態になります。
パレットからのアクリル絵の具の除去方法
次に、家庭で簡単にできるアクリル絵の具の落とし方をいくつか紹介します。
①お湯を使った洗浄方法
まだ乾燥途中のアクリル絵の具であれば、約40度のお湯を使用してパレットを洗うことで落とすことができます。
お湯で溶けにくい部分は、筆や台所用スポンジを使用して擦り取ります。
②メラミンスポンジの利用
完全に乾燥してしまった絵の具は、お湯とメラミンスポンジを使って洗うことで効果的に取り除けます。
メラミンスポンジは強力な清掃効果を発揮しますが、パレットを傷つけないように力を入れすぎないことが重要です。
これらの方法を試して、パレットを清潔に保ちましょう。
③長時間水に浸すクリーニング法
アクリル絵の具がパレットに残ってしまった場合、夜通し水やお湯に浸してみるのが一つの解決策です。
用意するもの
- 水またはお湯
- 台所用スポンジかメラミンスポンジ
手順
- 一晩、アクリル絵の具が付着したパレットを水またはお湯に浸します。
- 台所用スポンジまたはメラミンスポンジを使って、固着した絵の具を擦り落とします。
- 作業の終わりに、パレットを再び水かお湯でしっかりと洗い流します。
④重曹とメラミンスポンジの組み合わせ
重曹の自然な研磨効果を活用して、パレットに残ったアクリル絵の具を除去します。
用意するもの
- 重曹
- 台所用スポンジまたはメラミンスポンジ
手順
- 台所用スポンジまたはメラミンスポンジを水で湿らせ、重曹を付けてパレットの汚れた部分を擦ります。
- 汚れが落ちたら、パレットを水またはお湯で洗い流します。
⑤マジックリンスプレーを利用した方法
日常の掃除に使われるマジックリンスプレーを用いても、アクリル絵の具をパレットから取り除くことが可能です。
用意するもの
- マジックリンスプレー
- 台所用スポンジまたはメラミンスポンジ
手順
- マジックリンスプレーを絵の具が付いた部分に直接噴射し、数分待ちます。
- スポンジを使って優しくこすり、パレットをきれいにします。
⑥マニキュア除光液でクリーニング
マニキュア除光液を用いて、固まったアクリル絵の具を取り除く方法です。
用意するもの
- マニキュア除光液
- ティッシュまたはコットン
手順
- マニキュア除光液をティッシュまたはコットンに浸して、パレットの汚れた部分に当てます。
- 絵の具が取れたら、パレットを水またはお湯で洗い流しましょう。
⑦アクリル専用リムーバーやラッカーシンナーの使用
より強力なクリーニングが必要な場合は、アクリル用リムーバーやラッカーシンナーが効果的です。
用意するもの
- アクリル用リムーバーまたはラッカーシンナー
- 不要になった布
- 台所用ゴム手袋
手順
- ゴム手袋を装着し、不要になった布にリムーバーやシンナーを染み込ませ、パレットの絵の具がついた部分に当てて拭き取ります。
- 作業中は室内の換気を良くすることが重要です。
完全に落ちない場合の対処法
多くの方法でアクリル絵の具をパレットから取り除く手段を試してみましたが、時には絵の具が完全には除去できないこともあります。
また、パレットに色の残りがあっても、次に使う際に色が混ざることはないため、引き続き使用しても問題ありません。
アクリル絵の具を完全に除去しようとして、パレットに無理な力を加えると傷がついたり、形が変わることがあります。
効果的にクリーニングすることも大切ですが、無理に完全に落とそうとしないでください。
使い捨てが可能な代替品を利用することも一案です。
たとえば、紙パレットや使用済みの牛乳パック、プラスチックパレットに食品用ラップを敷く方法などがあります。
これらの方法なら、使用後のクリーニングが格段に楽になります。
特に紙パレットは、使用後に簡単に捨てることができるため、非常に便利です。
まとめ
この記事では、アクリル絵の具の特性と、特にパレットからの絵の具除去方法に焦点を当てています。
アクリル絵の具はその発色の良さと使いやすさで人気がありますが、乾燥後の除去は一苦労です。
紹介した除去方法は、家庭で簡単に試せるものばかりで、お湯を使った洗浄から、メラミンスポンジ、マジックリンスプレー、マニキュア除光液、さらにはアクリル専用リムーバーやラッカーシンナーを使用した方法まで多岐にわたります。
しかし、すべてのアクリル絵の具が完全に除去できるわけではなく、パレットを傷めることなく、効果的なクリーニングを行うことが肝心です。
時には使い捨ての代替品を利用することで、クリーニングの手間を減らすことも一つの解決策です。
絵の具の扱いやすさを生かしつつ、適切なクリーニング方法を選んで、パレットを長く清潔に保ちましょう。