家庭料理で頻繁に登場する「揚げ物」は、多くの方にとって馴染みのあるメニューですが、使用後の油処理は意外と手間がかかるものです。
使った油をそのまま流すと、冷えて固まった油が排水管に付着し、詰まりや環境汚染の原因となります。
そのため、多くのご家庭や自治体では「油は固めて捨てる」ことが推奨されています。
今回は、身近にあるアイテムを使った油の処理方法を紹介します。困ったときの参考にしてください。
いつ捨てる?食用油の適切な捨て時
揚げ物に使用する食用油は、通常3~4回の使用が目安です。
それ以上使用すると油が酸化し、消化不良や動脈硬化などの健康リスクが高まる可能性があります。
油が濃い褐色に変わり、加熱時に泡が消えにくくなったら、酸化が進んでいる証拠ですので、すぐに廃棄しましょう。
凝固剤を使わずに油を固める方法
①牛乳パックを使った方法
用意するもの
- 洗浄後乾燥させた牛乳パック
- 新聞紙
- 適当なサイズのビニール袋
- キッチンペーパーや雑巾(油こぼれ対策用)
- ガムテープ
手順
- 牛乳パックの上部を全開に切り取ります。
- パックの内部に新聞紙を詰め込みます。
- ビニール袋にキッチンペーパーを敷き、牛乳パックを立てます。
- 冷えた油を牛乳パックに注ぎます。
- 自然発火を防ぐために少量の水を注ぎ、ガムテープでしっかりと封をします。
- ビニール袋に包んで燃えるゴミとして処理します。
※ 一つの牛乳パックで約500mlの油が処理可能です。
油の量が多い場合は複数のパックに分けましょう。新聞紙がない場合は、古着等で代用できます。
②ビニールバッグを使用する廃油処理方法
必要なもの
- 厚手のビニールバッグ
- 古新聞
- キッチンペーパー
- ガムテープ
手順
- キッチンのシンクやボウルにビニールバッグを二重にして設置し、新聞紙を底に敷きます。
- ビニールバッグに油を注ぎ、自然発火を防ぐために少量の水を加えます。
- ビニールバッグの口をしっかりと閉じ、ガムテープで封をします。
- 最後に、ビニールバッグを燃えるゴミとして処分します。
代用凝固剤を使って油を固める簡単な方法
①小麦粉または片栗粉を使って油を固める
必要なもの
- 小麦粉または片栗粉
- 古新聞
- ビニールバッグ
手順
- 温かい油に、小麦粉または片栗粉を油の量に等しい分量加えます。
- 油が冷え固まったら、古新聞に包みます。
- 包んだ油をビニールバッグに入れて廃棄します。
※ 片栗粉の方が固まりやすいので、可能なら片栗粉を使用することをお勧めします。
②パン粉を使って油を固める
必要なもの
- 期限切れのパン粉
- 古新聞
- ビニールバッグ
手順
- 温かい油に、油と同量のパン粉を入れます。
- 油が冷え固まったら、古新聞に包みます。
- 包んだ油をビニールバッグに入れて廃棄します。
※ 余ったパン粉があれば、湿気やすいので油処理に活用しましょう。
③重曹を使って油を固める
必要なもの
- 重曹(粉末)
- 古新聞
- ビニールバッグ
手順
- 温かい油に、油と同じ分量の重曹を加えます。
- 固まった油を木べらでこそぎ取り、新聞に包んで捨てます。
※ 食品用の重曹を使うと、揚げ物後の鍋洗いにも役立ちます。
使用済み油の再利用と処分方法
①換気扇の清掃に再利用
使い終わった油は、換気扇の油汚れの掃除に活用できます。
古い油を塗ってしばらく放置し、歯ブラシなどでこびりついた汚れを擦り落とします。
その後、熱湯で流し、食器用洗剤で仕上げましょう。
②油の回収とリサイクル
一部の自治体では、使用済みの油をリサイクル資源として回収しています。
地域のスーパーなどでも油回収を行っていることがあるので、詳しくは自治体やスーパーマーケットに確認しましょう。
調理油の効率的な使用法
油を無駄なく使うためには、調理の順序が重要です。
例えば、【野菜の素揚げ→天ぷら→フライ】と順に行い、最も油を汚す料理を後に持ってくると効率よく使えます。
揚げ油が汚れる順序を考慮して、計画的に調理しましょう。
まとめ
油の処理は、環境保護や家庭内でのトラブルを避けるためにも重要なステップです。
使用済みの油をそのまま流すのは排水管の詰まりや環境汚染の原因になりますが、今回ご紹介した方法を活用すれば、簡単かつ安全に油を固めて処分することができます。
牛乳パックやビニールバッグ、片栗粉やパン粉、重曹など、家庭にあるものを使った手軽な処理方法で、煩わしい油の処理もスムーズに行えるでしょう。
また、使い終わった油の再利用法や、地域の油回収サービスを活用することで、無駄を減らし、資源を有効に使うことも可能です。
今後は、調理後の油処理に困った際は、ぜひこれらの方法を試してみてください。
簡単にできる工夫で、日々の家事を少しでも楽に、そして環境に優しい生活を心がけましょう。